野菜が苦手な子もペロリ 温かい家族ごはんの工夫レシピ
忙しい毎日の悩み、子供の野菜嫌い
仕事や家事、育児と毎日慌ただしく過ごす中で、家族のために栄養バランスの取れた温かい食事を用意することは、ひと苦労かもしれません。特に、お子様が野菜を苦手としている場合、献立を考える際に頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。一生懸命作った料理も、野菜が残ってしまうと少し寂しい気持ちになるものです。
しかし、子供の野菜嫌いは多くのご家庭で見られることであり、成長の過程で変わっていくこともあります。大切なのは、無理強いするのではなく、家族みんなで食卓を囲む楽しい時間の中で、少しずつ野菜に親しんでもらう工夫を取り入れることです。この記事では、そんな悩みに寄り添い、野菜が苦手なお子様でも無理なく食べられるような、温かい家族ごはんの工夫と簡単なレシピをご紹介します。
野菜嫌い、どうして?考えられる理由
子供が野菜を嫌がる背景には、いくつかの理由が考えられます。例えば、野菜特有の苦味や青臭さ、固い、筋っぽいといった食感への抵抗、あるいは単純に見た目が苦手ということもあります。これらの感覚は大人よりも子供の方が敏感な場合が多く、仕方のない側面もあります。
ここで大切なのは、「食べなさい」と強制するのではなく、「どうしたら食べやすくなるかな?」と工夫を凝らす視点を持つことです。次に、具体的な工夫のアイデアを見ていきましょう。
工夫その1:野菜を「隠す」アイデア
野菜を細かく刻んだり、すりおろしたりして、お子様が好きな料理に混ぜ込んでしまうのは、最も手軽で効果的な方法の一つです。
- 細かく刻む、すりおろす、ペースト状にする: 玉ねぎ、にんじん、ピーマン、ほうれん草など、様々な野菜がこの方法で活用できます。
- 混ぜ込みやすい料理:
- ハンバーグや肉団子: ひき肉に細かく刻んだ玉ねぎやにんじん、ピーマンなどを混ぜ込むと、見た目にはほとんど目立ちません。
- ミートソースやカレー: 野菜をじっくり煮込んで溶け込ませたり、すりおろした野菜を加えたりすることで、風味豊かになり、栄養価もアップします。
- お好み焼きやチヂミ: キャベツだけでなく、刻んだニラやにんじん、きのこ類なども生地に混ぜ込むことができます。
- スープやポタージュ: 野菜を柔らかく煮てミキサーなどで滑らかにするポタージュは、野菜の形が全くなくなり、子供でも飲みやすい定番の「隠し技」レシピです。
- グラタンやドリア: ソースの中に細かく切った野菜を混ぜ込んだり、ホワイトソースにすりおろした野菜を加えたりするのも良い方法です。
完全に隠すことに罪悪感を持つ必要はありません。まずは「食べる」体験を増やし、野菜にも美味しいものがある、という positive な経験を積み重ねることが大切です。
工夫その2:野菜を「食べやすくする」アイデア
野菜を隠すだけでなく、調理法や味付けを工夫することで、野菜本来の味や食感を楽しみながら食べてもらうことも目指せます。
- 調理法で食感を柔らかく: 蒸したり、じっくり煮込んだりすることで、野菜が柔らかくなり、固い食感が苦手な子供でも食べやすくなります。根菜類などは甘みが増す効果も期待できます。
- 子供が好きな味付けに:
- ケチャップ味やソース味、マヨネーズ味、チーズ味など、子供が親しみやすい味付けを取り入れてみましょう。
- 温かいディップソース(チーズソースやマヨネーズベースのソースなど)を用意して、蒸した野菜スティックを添えるのも楽しい方法です。
- 甘めの餡かけにするのもおすすめです。野菜を炒めたり煮たりしたものに、甘酢餡や中華風の餡を絡めると、つるんとして食べやすくなります。
- 見た目を楽しく:
- 野菜を星や動物などの型で抜いてみたり、彩りの良い野菜を組み合わせたりすることで、食卓が華やかになり、子供の興味を引くことができます。
- 盛り付けを可愛らしくするのも、子供が「食べてみようかな」と思うきっかけになります。
これらの工夫を組み合わせることで、野菜への抵抗感を少しずつ減らしていくことが期待できます。
レシピ例:とろーり温まる!ほうれん草とじゃがいもの簡単ポタージュ
「隠す」工夫の代表的なレシピとして、子供も大好きなポタージュスープをご紹介します。ほうれん草もじゃがいもも、体を温める効果が期待できる食材です。
材料(作りやすい分量)
- 玉ねぎ: 1/2個
- じゃがいも: 2個
- ほうれん草: 1/2束
- バター: 10g
- 水: 300ml
- コンソメ顆粒: 小さじ2
- 牛乳: 200ml
- 塩: 少々
- こしょう: 少々(お子様向けには省略可)
作り方
- 玉ねぎは薄切り、じゃがいもは皮をむいて薄切りにし、水にさらしてでんぷんを洗い流します。ほうれん草はよく洗って根元を切り落とし、ざく切りにします。
- 鍋にバターを熱し、玉ねぎを透き通るまで炒めます。
- 水気を切ったじゃがいもを加えてさっと炒め、水とコンソメ顆粒を加えます。蓋をして、じゃがいもが柔らかくなるまで10分〜15分ほど煮込みます。
- ほうれん草を加え、しんなりするまで1〜2分煮ます。
- 火を止め、粗熱が取れたら、ミキサーまたはブレンダーを使って鍋の中身をなめらかになるまで撹拌します。
- 火傷に注意して行ってください。熱いまま撹拌すると危険です。
- 鍋に戻し、牛乳を加えて弱火で温めます。沸騰させないように注意してください。
- 塩、お好みでこしょうで味を調えたら完成です。
このポタージュは、野菜の形が見えないため、野菜が苦手なお子様でも抵抗なく飲んでくれることが多いです。牛乳を豆乳に代えたり、じゃがいもの一部をさつまいもやかぼちゃにしたりと、アレンジも楽しめます。温かいポタージュは、体の内側から優しく温めてくれ、忙しい日の朝食や夕食の一品にもぴったりです。
食卓で「できた!」の体験を大切に
どんなに工夫しても、すぐに野菜を好きになるわけではないかもしれません。焦らず、お子様のペースに合わせて進めることが大切です。「一口食べてみようか」「少しだけ頑張ってみようか」といった声かけをし、もし少しでも食べられたら、「わぁ、すごいね!」「一口食べられたね!」と、結果だけでなく頑張った過程を褒めてあげてください。
また、大人が美味しそうに野菜を食べる姿を見せることも、子供にとっては良い刺激になります。「このお野菜、美味しいね」「体がポカポカするね」など、ポジティブな言葉をかけてみましょう。
完璧な栄養バランスを毎日目指すのは大変なことです。温かい食卓を囲み、家族みんなで楽しく食事をする時間そのものを大切にすることも、心と体の健康にとって非常に重要です。
まとめ
お子様の野菜嫌いは、忙しい毎日の食事作りにおいて悩みの種になりがちです。しかし、野菜を「隠す」工夫や「食べやすくする」工夫を取り入れることで、少しずつでもお子様が野菜に親しむきっかけを作ることができます。
今回ご紹介したポタージュのように、手軽にできて体も温まるレシピはたくさんあります。すべての野菜を食べさせることを目標にするのではなく、まずは「これなら食べられるかも」という一品を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事が、忙しい日々の中でも、家族みんなが笑顔で温かい食卓を囲むための一助となれば幸いです。