体を芯から温める ほっこり根菜の簡単温かいおかず
忙しい毎日に温もりを 体を芯から温める根菜のおかず
日々の仕事や家事、育児に追われていると、つい食事準備は簡単に済ませたいと感じる時があるかと思います。それでも、家族のために栄養バランスの良い、そして何よりも温かい食事を用意したいというお気持ちは、多くの方が抱かれているのではないでしょうか。
冷える季節はもちろんのこと、年間を通してエアコンなどで体が冷えがちな現代において、体を内側から温めることは健康維持にもつながります。温かい食事は、お腹を満たすだけでなく、心にもほっとする安らぎを与えてくれます。
今回は、昔から体を温めると言われている根菜を使った、手軽に作れる温かいおかずのレシピをご紹介します。根菜は、土の中で育つ力強さからか、体を温める性質を持つ食材として親しまれてきました。食物繊維も豊富で、献立に取り入れることで満足感も得られます。
根菜が体を温めると言われる理由
ごぼう、人参、大根、里芋、レンコンなど、私たちにとって身近な根菜の多くは、秋から冬にかけて旬を迎えます。これらの根菜は、土の中でじっくりと栄養を蓄えて育ちます。体を温める食材にはいくつかの考え方がありますが、一般的に、土の下で育つものや、冬に旬を迎えるものが体を温める「陽性」の性質を持つと言われることがあります。
また、根菜に含まれる特定の栄養素も体の巡りをサポートするとされています。例えば、ごぼうやレンコンに豊富な食物繊維は、腸内環境を整えることで体の代謝に関わったり、ゆっくりと消化されることで食後の体温上昇を促すとも言われています。さらに、根菜に含まれるビタミンやミネラルも、体の機能を整える上で重要な役割を果たします。
手軽に作れる 温かい根菜おかずレシピ
ここからは、忙しい日でも手軽に作れる、体を芯から温める根菜を使ったおかずレシピをいくつかご紹介します。特別な材料や難しい手順は不要です。
レシピ1 鶏肉とたっぷり根菜の味噌バター炒め煮
バターと味噌のコクが根菜の甘みを引き立て、子供も大人も好きな味付けです。炒めてから煮ることで、短時間でも味がしっかりなじみます。
材料(3〜4人分)
- 鶏もも肉 1枚 (約250g)
- お好みの根菜 例: 人参1/2本、大根5cm、ごぼう1/2本、レンコン5cm (合わせて300g程度)
- きのこ類 例: しめじ1/2袋、エリンギ1本 (合わせて100g程度)
- バター 15g
- だし汁 200ml
- 味噌 大さじ2
- 砂糖 大さじ1/2
- 醤油 小さじ1
作り方
- 鶏もも肉は一口大に切ります。根菜は皮をむき、人参、大根、レンコンは乱切りまたは1cm厚さのいちょう切りに、ごぼうはたわしで洗い斜め薄切りにして水にさらします。きのこ類は石づきを取り、ほぐすか切ります。
- フライパンや鍋にバターを熱し、鶏肉を入れて表面の色が変わるまで炒めます。
- 水気を切ったごぼう、他の根菜を加えて全体に油が回るまで炒め合わせます。
- きのこ類を加えさっと炒めたら、だし汁を加えて煮立たせます。アクが出たら取り除きます。
- 根菜が柔らかくなるまで蓋をして10〜15分煮ます。
- 味噌、砂糖、醤油を加えて混ぜ、味がなじむまでさらに2〜3分煮れば完成です。
レシピ2 ほっくり里芋と豚バラの生姜あんかけ
生姜の風味が効いたあんかけは、冷めにくく体をぽかぽかにしてくれます。冷凍里芋を使えば、皮むきの心配もありません。
材料(3〜4人分)
- 冷凍里芋 250g
- 豚バラ薄切り肉 150g
- 生姜 薄切り4〜5枚
- 長ネギ(青い部分も含む) 10cm程度
- だし汁 250ml
- 醤油 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 酒 大さじ1
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2 (水溶き片栗粉用)
作り方
- 豚バラ肉は食べやすい大きさに切ります。生姜は千切りに、長ネギは斜め薄切りにします。
- 鍋にだし汁、醤油、みりん、酒、生姜の千切りを入れて火にかけ、煮立たせます。
- 豚バラ肉、冷凍里芋を加えて再び煮立ったら、アクを取りながら里芋が柔らかくなるまで10分ほど煮ます。
- 長ネギを加え、さっと火を通します。
- 一度火を止め、水溶き片栗粉を回し入れ、再び火をつけてとろみがつくまで混ぜながら煮れば完成です。
レシピ3 根菜たっぷりトマト煮込みスープ
具材を切って煮込むだけのシンプルレシピ。野菜の甘みとトマトの酸味で優しい味わいです。パンにもごはんにもよく合います。
材料(3〜4人分)
- 玉ねぎ 1個
- 人参 1本
- じゃがいも 2個
- セロリ 1/2本 (なければ玉ねぎを増やす)
- お好みの根菜 例: レンコン10cm、ごぼう1/2本など (100g程度)
- カットトマト缶 1缶 (400g)
- 水 200ml
- コンソメ顆粒 大さじ1
- ローリエ(あれば) 1枚
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩、こしょう 少々
作り方
- 玉ねぎ、人参、じゃがいも、セロリ、根菜はすべて1〜1.5cm角に切ります。ごぼうやレンコンは切ったら水にさらします。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、玉ねぎ、セロリを入れてしんなりするまで炒めます。
- 水気を切ったごぼう、レンコン、人参、じゃがいもを加えて全体に油が回るまで炒め合わせます。
- カットトマト缶、水、コンソメ、ローリエを加えて煮立たせます。
- 蓋をして野菜が柔らかくなるまで15〜20分煮込みます。
- 塩、こしょうで味を調えれば完成です。
献立への取り入れとヒント
ご紹介したレシピは、週末にまとめて作っておけば平日の食卓に温かい一品をすぐに添えることができます。冷蔵保存で2〜3日、冷凍可能なもの(特にあんかけや煮込み系)は小分けにして冷凍しておくとさらに便利です。
また、根菜は他の料理にもアレンジしやすい万能食材です。例えば、味噌バター炒め煮の残りにカレー粉を加えてカレーうどんにしたり、トマト煮込みスープにショートパスタやごはんを加えてリゾットやスープパスタにしたりと、少し手を加えるだけで全く違う料理として楽しむことも可能です。
温かい根菜料理で心満たされる時間を
忙しい日々の中でも、体を気遣い、温かい食事を用意することは、ご自身やご家族にとって大切な時間になります。今回ご紹介した根菜を使った簡単レシピが、毎日の献立を考える負担を少しでも減らし、食卓に温かい笑顔を増やすきっかけとなれば嬉しいです。
根菜の優しい甘みとほっこりとした食感、そして体の中からじんわりと広がる温かさを感じながら、家族と囲む食卓で心満たされるヒュッゲな時間をお過ごしください。